フードドライブって何?フードバンクとの違いも解説

最近目にすることが増えたフードドライブ。フードドライブとは、誰が何を目的としてやっている活動なのでしょうか?
ここでは、フードドライブの全てをしっかりと理解できるよう、フードドライブについて順を追って解説していきます。
Contents
フードドライブとフードバンクの違い

イベント会場や大型ショッピングモールなどで見かけることが増えたフードドライブ。フードドライブとは一体何をやっているのでしょう?
フードドライブを知るためには、まずはフードバンクという活動から説明していきましょう。
フードバンクとは、まだ食べられるのに捨てられる食品を、食べものに困っている福祉施設や団体に届ける活動です。
食品ロスと貧困問題を結びつける社会活動として、フードバンクは今世界的に注目を集めています。
フードバンク団体は企業や個人から食品の寄付を受け取り、様々な事情により満足に食べられてない方や福祉施設・団体に食品を届けています。
現在国内では100を超えるフードバンク団体が活動していますが、食品を集める手段は様々です。
その手段の一つとなるがフードドライブです。
フードドライブは誰にでもできる!
フードドライブとは、イベント会場や学校やお店などで、家庭で余っている食品の寄付を募る活動です。ドライブは運転という意味ではなく、寄付などを集める運動という意味です。
フードドライブはフードバンク団体が行っていることもあれば、学生や一般のボランティアが開催していることもあります。
フードドライブで集まった寄付食品は、フードバンク団体へ寄贈され、そこから個人や施設に届けられるのが一般的です。

誰にでも開催できて、食べものに困っている色々な境遇の人に寄り添うことができるフードドライブ。フードバンク活動の一つとして今注目を浴びています。
フードドライブはどこでやっている?
フードドライブが開催されている場所は様々です。
これまでは、ボランティア団体がイベント会場などで開催することが多かったフードドライブですが、最近ではスーパーマーケットなど色々な場所で盛んに行われています。
スーパーマーケット

スーパーの中でも特にフードドライブに積極的なのはコープです。
店舗によっては、日時に関係なくいつでも食品の寄付を受け付けているところもあります。
コープはフードドライブで食品を集めるだけではなく、コープ自体がフードバンク団体として、食べることに困っている人を支援しています。(一部地域による。)
また、大手食品スーパーのダイエーでも毎月フードドライブを実施しています。2016年からフードドライブを始め、2020年1月時点では129店舗にてフードドライブを行っています。
フードドライブとは言ってもイベントのような形式ではなく、店内に回収ボックスを設置する形で食品寄付を集めています。
フードドライブの回収ボックス設置期間は、毎月第3月曜日~日曜日までの7日間となっています。(全国共通)
イオンもダイエーと同様、食品ロス削減に積極的に取り組む企業の一つです。
フードドライブの内容はダイエー同様に回収ボックスを設置するというものです。
また、イオングループではグループ全体の食品廃棄を2025年までに半減させるという目標を掲げています。
上記のような大手スーパー以外でも、フードドライブを行っている食料品店はたくさんあります。
学校
最近では、文化祭などの学校行事と絡めてフードドライブを行っている学校もあります。
フードバンクに興味を持った高校生や大学生が行うだけでなく、生徒の親御さんが中心になって行うケースもあります。
イベント会場
地域のお祭りやフリーマーケット、フェスのように人が多く集まる場所でもフードドライブが開催されいていることがあります。フードバンク団体や地域の自治体が中心となって開催していることが多いです。
フードドライブに寄付してみよう!

フードドライブに食品を寄付するのはとってもカンタン!寄付したい食品をフードドライブ会場に持っていくだけです。
フードドライブのスタッフの方に、おうちで食べきれなかった食品を寄付してみましょう。
フードドライブに寄付できる食品
フードドライブで寄付できる食品にはどのようなものがあるのでしょうか?
フードドライブで寄付できる食品は、フードドライブを開催している団体によって若干異なります。冷蔵庫・冷凍庫などの設備があるのか、食品を運搬する車両はどのくらいの大きさか、それらの条件によってフードドライブで寄付できる食品は変わってきます。
一般的には、フードドライブに寄付できる食品の条件は以下のようになります。
- 未開封であること
- 賞味期限まで1ヶ月以上あること
- 常温保存が可能であること
- 製造者または販売者が表示されていること
- 成分表示・アレルギー表示があること
具体的には、米、パスタ、カップ麺、インスタント食品、レトルト食品、缶詰、お菓子、飲料、調味料、乾物類などがフードドライブで寄付できます。
また、粉ミルクや離乳食、食品ではありませんがおむつなどのベビー用品もフードドライブによっては喜ばれます。
反対に、開封された物や賞味期限が記載されていないもの、冷凍・冷蔵食品、生鮮食品などは寄付できないことが多いです。
また、全て外国語表記の食品なども対象外としているところもあります。
フードドライブに寄付できる食品はフードドライブによって異なるので、開催団体のHPやチラシなどを確認して、寄付できる食料品を事前に確認しておくことをおすすめします。
フードドライブで寄付した食品はどこへ?

フードドライブで寄付した食品は、フードバンク団体や自治体などを通して次のような施設などに届けられています。
- 児童福祉施設
- 子ども食堂
- DV被害者シェルター
- 路上生活者支援団体
- 生活困窮者支援団体
- 障がい者福祉施設
- 社会福祉協議会
- 被災者支援団体
家庭で食べきれなかった食品が、フードドライブを通して上記のような施設や団体に寄付されています。フードドライブは、「消費できなかった食品」を「食品を必要とする誰か」に届ける活動です。
フードドライブを開催してみよう!
フードドライブは誰にでもできる活動です。
ただし、食品を扱うからには正しく管理する知識も必要です。
ここからは、フードドライブをやってみたい!という方のために、フードドライブの開催方法や注意点について説明していきます。
- 集まった食品を寄付する団体・施設を決める
- 会場を確保・日時の設定をする
- 必要な物を準備する
- SNSやチラシを使って告知する
- 集まった食品の確認作業をする
- 寄付先に食品を届ける
1.集まった食品を寄付する団体・施設を決める
まずはじめに、フードドライブで集まった食品をどこに寄付するのかを決めましょう。特につながりのある施設などがなければ、フードバンク団体へ寄付するのがおすすめです。
フードバンク団体は、寄付として受け取った食品を正しく管理して、食べものに困っている人に届ける橋渡しをする団体です。
フードバンク団体は食品の取り扱いに関する知識を備えていることが多く、はじめてフードドライブを開催するにあたって、段取りや注意事項を指導してもらえる可能性があります。
どのような食品を受け取ってもらえるのか、集まった食品はどうやって受け渡すのか、あらかじめフードバンク団体と連携を取っておくと良いでしょう。
2.会場を確保・日時の設定をする
フードドライブを開催するにあたり、会場の確保と日時の設定は必須項目です。
学校や公共施設などを使わせてもらったり、スーパーの出入口付近の空きスペースを間借りしている団体もあります。また、お祭りやフェスなどのイベント会場の一角を間借りするというのも一つの手です。
初めてフードドライブを開催する場合はまだ地域での認知度が低いため、できるだけ人目につきやすい場所や日程を選ぶのが理想です。
また、会場へは車で来る人が多いのか、電車やバスなどの公共交通機関を利用する人が多いのか、土地柄も踏まえて会場を選択することで、より多くの人に参加してもらえるフードドライブになります。
3.必要なものを準備する
次に、フードドライブで使用する以下のものを準備しましょう。
- 長机
- 食品を入れる箱
- 筆記用具
- 受付表(寄贈者の名前・食品などを記載)
受付表については、集まった食品を寄付する団体によって必要かどうかは異なります。寄付先にあらかじめ確認して、必要であれば用意しておきましょう。
また、今後もフードドライブを開催する予定であれば、寄付人数を数えておくと良いでしょう。寄付人数を増やすためのミーティング資料として使ったり、モチベーションの維持にもつながります。
その他にもフードドライブを開催していることが目立つように、のぼりやポスターなどを準備しておくのも良いでしょう。
4.SNSやチラシを使って告知する

フードドライブの開催が決まったら、当日多くの人が集まるように告知します。
どれだけ多くの寄付食品を集められるかは、どれだけ多くの人に告知できるのかにかかっています。
フードドライブを開催するまでに、できるだけ多くの人にイベントの日時・場所・受け付けている食品を分かりやすく伝えることが大切です。
SNSやチラシの配布、張り紙などを使ってできるだけ多くの人にフードドライブを知ってもらいましょう。
5.集まった食品の確認作業をする
集まった食品はそのまま寄付先にお届けするわけではありません。
賞味期限は切れていないか?開封されている商品はないか?寄付先にあらかじめ確認した条件に沿って再度チェックします。
フードドライブは人が口にする食品を取り扱うので、間違いがないように必ず最終チェックも行いましょう。
また、集まった食品の数をカテゴリー別に集計するなど、受取先の要望に合わせて確認作業を行います。
6.寄付先に食品を届ける
食品の確認作業を終えたら、最後に寄付先に食品を届けます。
食品の賞味期限はできるだけ長い方が受取先にも喜ばれます。できるだけ早いうちに集まった食品を届けましょう。
集まった食品を数日保管する場合は、保管期間中に食品がダメにならないように保管方法には注意しましょう。
結果的に食品がたくさん集まらなかったとしても、フードドライブを開催することでフードバンクの大きな宣伝につながります。フードバンクの存在を知らない人に知ってもらえるきっかけ作りとしても、フードドライブは有効な活動です。
最後に
フードドライブは、個人でも気軽に参加できるフードバンク活動の一つのかたち。自宅に余っている食品があれば、賞味期限が迫る前にフードドライブに寄付してみてはいかがでしょうか?
捨てられていたはずの食品が必要としている誰かに届く、フードドライブはそんな活動です。