フードバンクの全てが分かる!寄付方法や受取条件まで解説

フードバンク
フードバンク

2017年の1年間での日本の食品ロスは612万トン、これは年間の米の生産量に匹敵する数字です。
これは「ごみ」ではなく、まだ食べられるのに捨てられた食品の量です。その一方でご飯を満足に食べられずに困っている人がいる。その橋渡しをしているのが、フードバンクという活動です。

フードバンクとは

冒頭で紹介した食品ロスの量。皆さんはどう感じられますか?あまりにも大きな数字で実感がわかない方も多いのではないでしょうか?
フードバンクとは、まだ食べられるのに捨てられる食品を、食べものに困っている人に届ける活動です。

フードバンクは大きな社会貢献活動として、昨今大きな注目を浴びています。
フードバンクは食べものに困っている人にだけメリットがある活動ではなく、食品を提供した企業や、社会全体にも大きなメリットがあります。ぜひ、フードバンクという活動を知ってみてください。

フードバンクの仕組み

食品メーカーや農家、飲食店、そして家庭から出るたくさんの食品ロス。まだ充分に食べられるのに様々な理由から毎日たくさんの食品が廃棄されています。「廃棄するくらいなら食べものに困っている人に届けたい」それがフードバンクの活動です。

ここでフードバンクの仕組みを見ていきましょう。企業や個人から寄付された食品は、児童養護施設の子供たちや、DV被害者のためのシェルター、ひとり親家庭の方々などに届けられています。

出典:NPO法人POPOLO

フードバンクは食品を提供してくれる人と、食べものに困っている人とをつなぐ活動です。

食品を提供する人

フードバンクに食品を提供するのは、食品メーカーなどの企業や飲食店、農家などです。
また、個人でも家庭で余った食品をフードバンクに寄付することが可能です。家庭で余っている食品があるなら、お近くのフードバンクに寄付ができるか問い合わせてみましょう。

食品を管理して届ける人=フードバンク

多くのフードバンク団体はボランティアで構成されています。フードバンクの活動が認知されはじめて、行政との連携で運営されているところも増えてきましたが、実務はやはりボランティアの方たちが行っています。

食品寄贈者が直接提供するのではなく、間にフードバンクが入ることで、食品を受け取る福祉施設や団体に無駄なく食品を届けることができます。

食品を受け取る人

フードバンクが食品を届けるのは、児童養護施設やDV被害の女性シェルターなど各福祉施設や団体などです。また、フードバンク団体によっては、生活に困窮している個人にも食品を届けています。

食品寄付が集まりやすく在庫が充分にあるフードバンク団体が、食品が足りていないフードバンク団体に分配することもあります。

フードバンクのメリット

フードバンクは食品を受け取る人にだけメリットがあるように感じられがちですが、食品を提供する企業や、社会全体としても大きなメリットがあります。

企業のメリットとは?

食品を提供している企業には、食品ロスの廃棄にかかるコスト削減という大きなメリットがあります。食品を廃棄するには100円/㌔以上のコストがかかる上に、リサイクル対象の容器・包装を分別する手間もかかります。

余った食品をフードバンクに寄付することで、これらに必要となる経費や人員を削減することができます。

社会へのメリットとは?

国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を受けて、国内では家庭から出る食品ロスを、2030年度までに2000年度比で半減させるとの目標が設定されました。

日本政府は食品ロス世界6位という汚名を返上すべく色々な対策を打ち出しています。そのうちの一つとしてフードバンクが注目され、農林水産省はフードバンク活動を支援しています。

フードバンクは単に食品ロスを減らすだけではなく、ごみの焼却にかかる費用や環境負荷を減らすことにもつながります。また、ご飯を満足に食べられなかった人たちが、充分な食事が確保されることで働く意欲の向上にもつながると期待されています。

フードバンクは全国に活動が普及し世間的にも認知されつつありますが、まだまだたくさんの人手や寄付が必要であることは間違いありません。まずはできるだけ多くの人にフードバンクについて興味を持ってもらうことが必要だと考えられています。

日本のフードバンク団体

2000年に炊き出しのために食材を集める連帯活動が行われました。その活動からフードバンクに発展。2019年時点では、日本には100を超えるフードバンクの団体があるといわれています。

フードバンク団体はほとんどがボランティアでまかなわれており、活動内容も支援先も様々です。連盟に加盟して組織的に活動を行っているフードバンクもあれば、少人数で地域で活動している小さなフードバンクもあります。また、自治体や生協のような組織がフードバンクの活動を始めるケースもあります。

フードバンクは寄付によって成り立っているため、高い志で始めても活動が継続できなくなる団体が多く、入れ替わりが激しいのも現実です。以下にご紹介するフードバンク団体は、ある程度の規模の組織であり、活動が活発に行われている団体になります。

セカンドハーベスト・ジャパン

日本で初めてフードバンクを立ち上げたのは、2000年に活動を開始したセカンドハーベスト・ジャパンです。メディア露出も多く、フードバンクの国内最大手といえる団体です。

2002年7月にフードボートという名称でフードバンクを立ち上げ、2004年にセカンドハーベスト・ジャパンに組織名を変更しました。CEOを務めるマクジルトン・チャールズ・E氏は、日本にフードバンクを広めた第一人者と言えます。また、農林水産省から委託を受けて、フードバンク運営マニュアルも作成しました。

食材を施設に届ける他にも、炊き出し(ハーベストキッチン)、個人支援(ハーベストパントリー)、無料スーパー(marugohan)など、様々な形で食品を提供しています。さらに、食品を充分に集められない他のフードバンク団体にも食品を寄贈しています。

フードバンク山梨

セカンドハーベスト同様に規模の大きなフードバンク団体です。セカンドハーベストは運営資金の多くを寄付でまかなっていますが、フードバンク山梨は年間約7,000万円の運営資金のうちの約半分を助成金や行政からの補助金でまかなっています。フードバンク以外にも学習支援や生活困窮者自立支援法の相談事業、実態調査事業、こども支援プロジェクトなど多方面にわたって活動しています。

その他全国のフードバンク団体一覧

日本フードバンク連盟の認証要件を満たし、積極的に活動を行っている全国のフードバンク団体を紹介します。

公益財団法人日本フードバンク連盟
安全なフードバンクの普及を目的とする内閣が認めた組織。フードバンク団体の衛生管理チェックなどいくつかの条件を設け、それをクリアした団体が日本フードバンク連盟の認証を受けることができる。理事長はセカンドハーベスト・ジャパンCEOのマクジルトン・チャールズ・E、同団体も認証を受けている。

一般社団法人全国フードバンク推進協議会

全国フードバンク推進協議会はフードバンク団体を支えるための組織です。フードバンクの相談窓口のような機能もはたしていて、フードバンク団体が抱えている課題を共有して解決を目指しています。日本中に同協議会の加盟団体があり、これからフードバンクを始めたい人からの相談も受け付けています。
全国フードバンク推進協議会の理事長は、フードバンク山梨の理事長でもある米山けいこ氏が務めています。

フードバンクに寄付する、参加する

なんとなくフードバンクについて理解ができたら、次はどうすればフードバンクに参加できるのかを見ていきましょう。フードバンクに参加すると一言でいっても、食べ物を寄付したり、お金を寄付したり、ボランティア活動という形で参加したり。色んな参加の形があります。また、自身でフードバンク団体を設立するという方法もあります。一つずつ順に見ていきましょう。

余った食べ物を寄付する

フードバンクへの寄付は飲食店やスーパーなど企業が主に行っていますが、個人がフードバンクへ寄付することも可能です。ただし、フードバンク団体によって寄付を受け付けている食品が違うのでその点には注意が必要です。

企業や店舗が寄付する場合には、フードバンクに直接問い合わせて確認してみましょう。
個人が寄付する場合は「フードドライブ」か「フードバンクポスト」を利用するのが一般的です。お家に余っている食品を、必要としている誰かの為に届けてみましょう。

「 フードドライブ」って何?

出典:アフロ

フードドライブとは、家庭で余っている食べ物を参加者自らが会場に持ち寄る方法です。ダイエーやコープなどのスーパー、その他学校やイベント会場などで行われていることが多いです。ただし、フードドライブは開催日時が決まっているので、事前に情報を確認する必要があります。

「フードバンクポスト」って何?

出典:盛岡市

フードバンクポストと呼ばれるものは、ポストを常設して食品を集める方法です。フードバンクポストもスーパーや施設、地域によっては市役所、郵便局などにも設置しています。

フードドライブとの大きな違いは常設してあることです。日時を合わせていく必要がなく、場所さえ覚えておけば何かのついでに食品を寄付することができます。
ただし、人が立ち会わない無人のフードバンクポストでは、フードドライブよりも受け付けている食品に制限が多い場合もあります。

フードドライブやフードバンクポストは、個人がフードバンクに参加しやすい仕組みであるとともに、フードバンク活動を知ってもらうきっかけ作りになるというメリットもあります。
また、フードバンク団体にとって負担の大きい「食品の回収」が軽減され、多くの食品を少ない労力で集めることができます。

しかし、フードドライブやフードバンクポストには、いずれにしてもボランティアスタッフや場所提供の協力が必須です。最近では自治体が積極的に協力しているところも増えています。

宅配で寄付する

お住まいの地域でフードドライブを行っていない場合は、個人からの宅配による寄付を募っているフードバンク団体を探してみましょう。宅配で食品を送る場合は、あくまでも寄付なので送料は自己負担の元払いになります。また、「平日の午前中指定」などの決まりを設けているフードバンクもあるので、発送前に確認しましょう。

個人が寄付できる食品一覧

フードバンクが取り扱う食品は団体によって違いがあります。冷蔵・冷凍保存が可能な設備や運搬車輛、フードバンク団体の規模などによって受け付けている食品が違います。
ここでは、フードバンクが受け付けている食品の一般的な基準を上げておきます。

好まれるもの
  • お米(白米・玄米・アルファ米)
  • パスタ、素麺などの乾麺
  • 缶詰、レトルト食品
  • のり、お茶漬け、ふりかけ
  • 粉ミルク、離乳食
  • 調味料
  • 菓子類
  • 飲み物
取り扱いできるもの
  • 賞味期限まで1カ月以上あるもの
  • 常温で保存できるもの
  • 未開封のもの
  • 外装に破損がないもの
取り扱いが難しいもの
  • 賞味期限が切れている食品
  • 賞味期限が明記されていない食品
  • 賞味期限が1カ月を切っている食品
  • 開封されているもの
  • 生鮮食品(生肉・魚介類・生野菜)
  • アルコール(料理酒は除く)

賞味期限が1カ月を切っている食品や生鮮食品でも、フードバンクによっては寄付を受け付けています。寄付をするフードバンク団体が決まっているなら、フードバンク団体の公式サイトなどを確認するか、直接問い合わせてみましょう。

フードバンクでは保存に強い食品が好まれる傾向にありますが、提供先での栄養バランスを考えると、野菜などの生鮮食品が必要なことも確かです。
冷蔵庫や冷凍庫などの設備が整っていたり、農家や企業との連携によって生鮮食品の取り扱いを可能にしているフードバンクもありますが、まだ多くのフードバンクでは保存しやすい食品のみに限っているのが現状です。

とは言え、受け取る側の福祉施設などではフードバンクから食品を得ることで、生鮮食品の購入に資金を回すことができるため喜ばれています。

ボランティアに参加する

「フードバンクに寄付したいけれど、家に余っている食品がない・・・」そんな方は、ボランティアという形でぜひ時間の寄付を検討してみましょう。
例えば、寄付された食品の運搬や、炊き出しの準備や後片付け、寄付先に送るための荷造りなどなど。フードバンクは多くのボランティアの協力で成り立っています。
あなたのちょっとした協力を待っているフードバンクはたくさんあります。そして、ご褒美に「ありがとう」と言われる喜びを持って帰りましょう。

フードバンクにお金を寄付する

全てのボランティア団体に言えることですが、ボランティア団体には必ずと言っていいほどお金が必要です。
食品を運ぶ車やガソリン代、食品を保管する倉庫、冷蔵庫・冷凍庫などの設備、さらには大きな団体になると職員が働く事務所も必要です。

これらの費用の大半は寄付に頼るしかなく、足が出た分は職員やボランティアの実費負担となっています。より多くの人に食品を提供するために炊き出しや個人宅への食品の配送、子ども食堂なども行えば、さらに費用はかさんできます。
国から助成金が出る場合もありますが充分とは言えず、やはり心ある方からの寄付が頼りになってきます。

フードバンク団体を新設する

「フードバンクを自分でやってみよう!」
そう一念発起された方にエールをこめて、設立方法をご説明します。

フードバンク設立の手順

1.賛同者の募集
一人ではできることが限られてしまうため、まずはフードバンク活動に協力してもらえる個人や団体をさがしましょう。
2.既存団体の視察
すでにフードバンクとして活動している団体に接触してみて、実際の活動のノウハウを学びましょう。
3.活動目的の決定
フードバンクにはたくさんの人々が関わることになります。多くの人々が活動目的に賛同してくれることでフードバンクの活動が成立します。たくさんの協力を得るためにも「何を目的にフードバンク活動をするのか?」「誰をどのように支援するか?」を明確にしましょう。
4.設立総会開催
ある程度賛同者が集まったら、関係者が集まる場を設けましょう。大げさなものでなくてもいいので、関係者が一堂に会して目的の確認や具体的な活動内容を共有することで、フードバンク活動がスムーズにスタートできます。
5.食品の確保
以下のような方法で食品を確保していきましょう。
  • 食品関連企業から寄付してもらう
  • 農家から寄付してもらう
  • 他フードバンク団体からの提供
  • 企業等から防災備蓄品を寄付してもらう
  • フードドライブを実施する
6.倉庫の確保
倉庫を確保するには以下のような方法があります。
  • 所有している物件を使う(自宅でもOK)
  • 倉庫物件を借りる
  • 関係者が所有している物件を借りる
  • 一般企業の倉庫の一部を借りる
  • 空き家を借りる

ちなみに、最初から冷蔵庫や冷凍庫を揃えるのはオススメしません。購入と維持にかかるコスト的な問題に加えて、冷蔵・冷凍食品は管理が難しいからです。
保管時のみならず届ける際にも温度管理が必要になります。まずは保存に強い常温食品から取り扱っていきましょう。

右も左もわからない状態からフードバンクを始める場合には、まずは全国フードバンク推進協議会に相談してみるといいでしょう。
全国フードバンク推進協議会はフードバンクの相談窓口のような組織です。フードバンク団体が抱える課題を共有して共に解決することを目指しており、フードバンクが全国に広まることをミッションに掲げています。
なお、上記のフードバンク設立手順は全国フードバンク推進協議会の情報を参考にしています。

また、セカンドハーベスト・ジャパンが農林水産省から委託を受けてフードバンク運営マニュアルを作成しています。ダウンロードには申し込みが必要ですが、気になる方はぜひ参考にしてみてください。

任意団体とNPOの違い

任意団体というのは分かりやすく言えばサークルのような集まりです。任意団体であっても団体名を名乗って活動することが可能です。
まずはそこからスタートして、必要に応じてNPO法人など法人格の取得を検討していきます。

NPO法人になるにはいくつかの条件がありますが、任意団体よりもNPO法人の方が社会的信用が高いため、寄付を集めやすくなるというメリットがあります。

フードバンクから受け取る

多くのフードバンクでは、食品を児童養護施設や福祉施設などに届けています。福祉施設や団体がフードバンクから食品を受け取りたい場合は、まずはお近くのフードバンクに問い合わせてみましょう。
ここでは情報の少ない「個人がフードバンクから食品を受け取る方法」を紹介したいと思います。

個人がフードバンクを利用するにはどんな申し込み方法で、どんな手順を踏めばいいのか?また、個人がフードバンクを利用するための条件などについても見ていきましょう。

まずは市役所や社会福祉協議会に相談

個人がフードバンク団体から食品を受け取るときには、役所の案内状が必要な場合が多いです。
そのため、フードバンクから食品を受け取りたいと思った場合、最初に相談するのはお住まいの地域にある役所か社会福祉協議会(社協)です。社会福祉協議会とは、福祉に特化した民間団体です。
困っているなら身構えずに、まずは市役所か社協に相談してみましょう。

ここで気になるのは、フードバンクを利用するための条件でしょう。現在のところ、フードバンクから食品を受け取るための明確な条件は提示されていません。

フードバンクの目的は、福祉の対象とならなかった方でも食べ物に困らないようにすることでもあるので、とにかく相談することが大切です。
とはいえ、充分な生活ができているのに、単なる食費の節約目的で利用したいという方にはフードバンクの利用は難しいでしょう。

フードバンクの対象者

フードバンクの受取対象者に関する規定や法律は現在のところはありません。フードバンクから食品を受け取れるかどうかは、各自治体やフードバンクの判断によります。以下の条件のいずれかに該当する方であれば、比較的フードバンクから食品を受け取りやすくなります。

  • ひとり親家庭
  • 生活困窮者
  • 自立支援給付の対象者
  • DV被害者
  • 滞日外国人、難民
  • 若年者、未成年、高齢者
  • ホームレス
  • 生活保護受給者
  • 失業者

生活保護受給者はフードバンクを利用しても良い?

生活保護を受給していてもフードバンクを利用していも良いかの?という質問は多くあります。それに対する答えとしては、生活保護受給者でもフードバンクから食品を受け取れます

過去に議論されたのは、フードバンクでもらった食品は収入としてみなされるかどうかです。生活保護を受けている人は、収入があれば報告しなくてはいけません。フードバンクの食品が収入に当たるのかどうかの明確な基準がなかったため、生活保護を受けている方はフードバンクを利用しづらい面がありました。

それを受けて、厚生労働省が「子ども食堂において食事の提供を受けた場合やフードバンクから食料の提供を受けた場合、子ども食堂やフードバンクの取り組みの趣旨に鑑み、原則、収入として認定しないこととして差支えない」としました。(2019年4月生活保護手帳 別冊問答集)

フードバンクから受け取る食品は収入としてみなされないので、安心してフードバンクを利用して問題ありません。
ただし、需給したお金を生活保護の趣旨目的に反する用途に使用することで、不要にフードバンクを利用するなど家計管理ができていない場合には指導を受ける可能性があります。

どこで受け取るのか

フードバンクの食品はどこでどのようにして受け取るのでしょうか?フードバンクに集められた食品の受け渡し方法は様々です。個人がどのようにして受け取れるのかを見ていきましょう。

子ども食堂

全国的に広がりつつある子ども食堂は、子どもやその親などが気軽に利用できる施設です。フードバンクから食品を提供されたり、地域の寄付などにより運営されています。
ただし、全ての子ども食堂がフードバンクから食品の提供を受けているわけではありません。

無料や少額で食事ができることや、孤食にならないこと、コミュニティーが作れることなどから喜ばれています。
開催場所は様々で、地域の施設やお店を使っていたり、個人宅という場合もあります。開催日時も場所によって異なり、毎日というところもあれば、週に何回など限定的に行っている場合など様々です。
こども食堂ネットワークでは、全国の子ども食堂を検索できるのでぜひ参考にしてみてください。

炊き出し

炊き出しは食品が調理されている状態で受け取れるので、調理器具を持たない方や忙しい方にも利用しやすくなっています。
例えば、東京では毎週土曜日に上野公園で炊き出しが行われています。しかし、炊き出しには多くの人と時間、資金、そして準備が必要になるため、このように毎週決まった日に行っているフードバンク団体は多くはありません。
数は決して多くはありませんが、炊き出しを行っているフードバンク団体はいくつかあるので、近くで行われていないか情報を集めてみましょう。

無料スーパー

出典:セカンドハーベスト・ジャパン

スーパーのように商品が陳列してあり、自分で食品を選びながら受けとれるフードバンクのかたちもあります。
東京の浅草橋にある「marugohan(マルゴハン)」は、セカンドハーベスト・ジャパンが運営する無料スーパーです。

まずは、お試しユーザーとしてマルゴハンを体験利用して、そのコンセプトに賛同できる方は、登録手数料500円で入会登録をします。その後3ヶ月間は、1ヶ月に受け取れる食品の総量に上限はあるものの、何回でも利用者のニーズに合わせて、その都度必要なものを選択して受け取ることができます。

セカンドハーベスト・ジャパンでは、マルゴハンの利用者の方々に、感謝の気持ちを社会貢献を通して還元することを推奨しています。

このような無料スーパーは府中や京都でも開催されていましたが、常設で利用できる無料スーパーは今のところ「marugohan(マルゴハン)」のみです。

配送

個人がフードバンクから食品を受けとる場合、決まった場所や時間に食品を受け取りに行くのが基本です。
しかし、仕事などの事情で受け取りが難しい場合には、食品の配送を行っているフードバンクもあります。

例えば、セカンドハーベスト・ジャパンやフードバンク仙台では個人宅への配送を行っています。しかし、多くのフードバンク団体は送料の問題から、個人宅への配送を行えないのが現状となっています。

相談窓口「よりそいホットライン」

フードバンクによる支援を必要としているけれど、どうすればいいのか分からない…
相談できる相手がいない場合には、一人で悩まずに「よりそいホットライン」に相談してみましょう。

「よりそいホットライン」では生活や食べ物に困っている方だけではなく、あらゆる悩みや困りごとの相談にのってくれます。
電話だけでなくSNSやチャット、FAXによる相談も受け付けています。

よりそいホットライン
0120-279-338 (岩手・宮城・福島県の方は0120-279-226) 24時間 365日

企業によるフードバンク活動

フードバンク団体は、企業による寄付や支援によっても支えられています。また、企業がフードバンクとして活動しているケースもあり、日本のフードバンクの発展にも大きく貢献しています。

2020年内には、農林水産省がフードバンクを強化するにあたり、食品メーカーや小売店などに余った食品の情報を入力してもらい、フードバンク団体や福祉施設に仲介するシステムを構築することになっています。
このような動きもあり、今後はさらに多くの企業がフードバンク活動に参加することが期待されています。

ここからは、フードバンクがまだ認知度の低い頃から支援・活動してきた3つの企業を紹介したいと思います。

コープ東北フードバンク

地域密着型のスーパーマーケット「コープ」。生活者の声がすぐに形になる組織なので、それぞれの地域にあったサービスが提供されているのが特徴でしょう。

筆者の田舎では、移動が大変な高齢者を週に一回、バスでコープまで送り迎えしてくれるサービスが実施されています。これには筆者の両親もとても助けられており感謝しています。軽い運動にもなっている上に、バスの中ではちょっとしたコミュニティーもできて喜ばれています。

最初にフードバンクに参加したのは2012年、みやぎ生協です。コープ東北フードバンクの他企業との違いは、フードバンク団体を支援しているのではなく、コープ東北自体がフードバンクを運営していることでしす。
コープ東北自らが食品ロスを解消するために食品を集め、必要な施設や団体に届けています。

地域を回って商品を届ける販売ノウハウを持っていたコープ。そのノウハウを活かして、施設に食品を届ける活動を行っています。全国各地の生協にもその流れが伝わり、それぞれの形でフードバンクに参加しています。

コストコホールセールジャパン

コストコがフードバンクへの支援をはじめた時期ははっきりとは分かりませんが、少なくとも2005年にはフードバンクへ食品の寄贈を行っています。2005年3月27日付の朝日新聞大阪版朝刊には、フードバンク関西で現在理事長を務める浅葉めぐみさんが、コストコへ食品を受け取りに行った際の記事が掲載されています。

「何ともったいない。これ、今までは廃棄されていたの?」。ボランティアとして初めて大型スーパーの裏口に食品を引き取りに行った時の率直な感想です。おいしそうなパンや野菜、果物などが、大きなカートに積まれていました。

出典:【2005年3月27日付】朝日新聞大阪版朝刊 オピニオン(声)欄「各地に広がれ、フードバンク もったいない」

また、2007年8月1日付の読売新聞東京版夕刊にも、コストコがフードバンク関西に寄付しているという内容が掲載されていました。

フードバンク関西では毎朝、会員制スーパー「コストコホールセールジャパン」から賞味期限内の食料品を引き取っている。パンや野菜はその日のうちに施設や団体に配る。配りきれない分は、温度管理された貯蔵庫に置き、なるべく早く届ける。「やむを得ず出た余剰品を寄付している。役に立つのであれば協力したい」と同スーパー(兵庫県尼崎市で)

出典:【2007年8月1日付】読売新聞東京版夕刊「ズームアップWEEKLY」広がる「フードバンク」よみがえる善意の食材

コストコはホームページなどでフードバンクへの支援を積極的にアピールしていませんが、2017年にもセカンドハーベスト・ジャパンの取材の中で取り上げられていたり、長い間貢献してきたことがうかがわれます。

西友

西友では2009年からフードバンクへの食品提供をスタートしています。当初は3店舗でしたが、徐々に参加店舗を増やし、現在は関東140店舗にて食品を寄付しています。

西友では、各店舗に食品を配送してから物流センターに帰るトラックの戻り便を活用し、複数の店舗の寄付食品を物流センターに一括集約しています。西友の各店舗から定期的に集荷された食品は、物流センターで一括してフードバンクへ引き渡されます。
フードバンク職員が各店舗へ集荷へ行く必要がないため、フードバンクの負担を大きく減らし、回収効率を上げることに成功しています。

また取引先のJA甘楽富岡と協力して、規格外になった野菜もフードバンクに提供しています。規格外野菜とは、市場へ卸すシーズンから外れてしまったり、サイズが所定の規格に合わなかったりすることで、産地で廃棄されることが多い野菜のことです。
野菜の寄付は栄養バランスの点からとてもありがたい寄付として、受け取り施設からも喜ばれています。

また、野菜のような生鮮食品は鮮度の問題もあり企業の協力なしには取り扱いが難しい食品です。西友では規格外野菜を通常商品と同じ物流網に載せることで、鮮度を保ったまま寄付することを可能にしています。

さらに、店頭ではフードバンク募金を実施するなどして、フードバンク活動の支援の輪を広げることにも貢献しています。

フードバンクの課題とデメリット

国内のフードバンク団体は100を超え、少しづつ社会にも認知されるようになってきました。2018年度の農林水産省の調べによると、国内のフードバンク団体の食品取扱量は約2,850トン(農林水産省のアンケートに回答した76団体の合計)、2016年と比較すると食品取扱量は約1,000トン増加しました。

出典:農林水産省

フードバンク団体が食品ロスという日本の大きな問題に貢献したことは間違いのないことですが、まだまだ十分とは言えません。

まだ食べられるのに廃棄される食品が減って、食品を求めている人の手にわたる。みんなが笑顔になる活動がフードバンクです。

それならより多くの企業が参加して、もっと多くの食品ロスを減らし、もっと多くの子どもたちや困っている人たちを助けられたら。
しかし、それほど簡単なことではないようです。
ここからは、フードバンクが抱えている課題を見ていきましょう。

資金難

事務所や食品を保管する倉庫、運搬費用など、団体の大小に関わらずほとんどのフードバンクに必要になるのが資金です。ランニングコストを捻出できず、寄付でも集めきれずに活動を断念していくフードバンクも多くあります。

支援者によって支えられたり、助成金をうまく活用できているフードバンクもありますが、自己資金で運営していたり、安定性のない寄付金を資金源としているフードバンクもまだまだ多くあります。

「1年先を見通せるフードバンクはほとんどない」というのは、フードバンク関係者のリアルな声です。
国や自治体からの助成金もありますが、充分とは言えないのが現状です。

認知度不足

各フードバンク団体の取り組みにより、フードバンクは年々認知度を上げてきました。しかし、まだまだ食品ロスや貧困問題に無関心な人は多く、企業などにも周知されているとは言い難い状況です。

フードバンクは、企業にとっては廃棄コストの削減につながり、生活に困窮している人々にとっては食品を得る手段となり、また環境面では食品ロスが減ることでCO2削減にも繋がる、メリットの多い活動です。

より多くの人にフードバンクを知ってもらうことで、より多くの無駄をなくし、より多くの人を救えるようになります。日本のフードバンクは、現時点においてはまだまだ認知度が低いと言えます。

食品寄贈に伴うリスク

フードバンクにおいては、食品を寄贈する側がリスクを追うことも否めません。
寄贈した食品がフードバンクにより適正な方法で保管されているかは、寄贈した側にとっても大きな問題です。また、食品提供先でのアレルギーの管理なども必要になってくるでしょう。

仮に、事故が起こった時には誰が責任を取るのか?責任の追及は無くとも企業イメージを損なうリスクもあります。
国内では、食品提供者との契約や取り決めをしていないフードバンク団体が少なくとも1割あるとの報告もあります。

一方で、フードバンク先進国であるアメリカでは、フードバンクで意図せぬ不慮の事故が起こった際、企業が責任を問われないという法律が制定されています。また、商品転売の可能性なども否定はできないため、早急な法の整備が必要とも言えるでしょう。

自治体との連携不足

フードバンクを利用する人にとっては、自治体が窓口となることも多くあります。
また、フードバンク団体が安定的に運営していくためには、助成金や補助金など自治体の協力が必要不可欠になってきます。

しかし、自治体とフードバンク団体との連携はまだまだ十分とは言えません。フードバンクがボランティアの枠を超えて、地域全体として取り組めるようになるためには、自治体との密な連携が必要となってきますが、その点においてもまだまだ課題が残ります。

日本の食品ロスの現状

廃棄された恵方巻

フードバンクという活動を知るにあたっては、日本の食品ロスの現状を語らないことには深い理解は得られないでしょう。
冒頭に書いたように、日本では年間612万トンの食べられる食品がゴミとして捨てられています。

2019年に農林水産省が発表した資料によると、日本国民一人当たりの年間の食品廃棄物量は世界第6位、アジアではワースト1位です。(2018年度の数値で比較)
そのうち55%が事業系で、残りの45%が家庭から出た食品ロスとなっています。

食品廃棄物等

食品ロス

うち

事業系

うち

家庭系

うち

事業系

うち

家庭系

平成29年度

2,550万㌧

1,767万㌧

783万㌧

612万㌧

328万㌧

284万㌧

平成28年度

2,759万㌧

1,970万㌧

789万㌧

643万㌧

352万㌧

291万㌧

平成27年度

2,842万㌧

2,010万㌧

832万㌧

646万㌧

357万㌧

289万㌧

平成26年度

2,775万㌧

1,953万㌧

822万㌧

621万㌧

339万㌧

282万㌧

平成25年度

2,797万㌧

1,927万㌧

870万㌧

632万㌧

330万㌧

302万㌧

平成24年度

2,801万㌧

1,916万㌧

885万㌧

642万㌧

331万㌧

312万㌧

環境省「我が国の食品廃棄物等及び食品ロスの発生量の推計値(平成29年度)の公表について」より

日本の食品ロスが多い原因は多々考えられますが、よく取り上げられている問題の中に「3分の1ルール」というものがあります。

3分の1ルールとは?
食品の卸業者は、スーパーなどの小売り業者に、賞味期限の「3分の1」の期限内に納品しなくてはならない。賞味期間が6カ月の商品を例にあげると、卸業者は製造日から数えて賞味期間の「3分の1」にあたる2カ月以内にスーパーなどの小売店に納品しなければならない。

納品が遅れた商品は店頭には並ばず、卸業者からメーカーに返品されたり廃棄されたりします。食品メーカーによっては、ディスカウントショップに卸すこともあるようです。

「3分の1ルール」は、賞味期限切れの商品が店頭に並ばないためのルールとして1990年代に始まりました。賞味期限の「3分の1」というのは、世界的に見てもとても短い期間で、これにより食の安全は確保されている一方で、食品ロスが増えている理由と言われています。

衛生管理が徹底されてきた日本。私達が普段から品質を疑うことなく食品を購入できるのは、日本の食品に対する基準がとても厳しいからです。
しかし、世界から見ても食品ロスが多いというのは問題です。これを受けて3分の1ルールは現在、緩和の流れにあります。

世界のフードバンクの歴史

日本でも少しずつ知名度が上がってきたフードバンク。それでも世界的に見ると、まだまだ浸透しているとは言い難いようです。世界で一番最初にフードバンクの活動が行われたのはアメリカで、50年以上もの歴史があります。

日本で最初にフードバンクの団体ができたのは2002年。地道な活動と努力により、2011年頃からフードバンクの団体が急増し、全国に広がっています。

日本のフードバンクと海外のフードバンクには、少し問題意識に対する違いがあるようです。海外では貧困に対する問題意識が強く、一方の日本では貧困問題に加えて”もったいない”の精神が強いということ。日本人の国民性とも言えるでしょう。

アメリカのフードバンクの歴史

アメリカはフードバンクの先駆けといわれおり、日本より33年も早い1967年に、アリゾナ州でフードバンクがスタートしています。寄付文化が根付いているアメリカでは、企業が積極的に社会貢献を行っており、社会もそれを高く評価する風土があります。そのため、常に一定量の食品寄贈や寄付金があることがフードバンクを支えています。
アメリカは日本と違って飢餓に対する問題意識が強く、食べることができる環境をつくり、飢餓をなくすという視点で動いています。

フランスのフードバンクの歴史

Restos du cœurの開始当初の様子

EU諸国には社会問題への取り組みが積極的な国が多くありますが、フランスはEU諸国の中でも非常にフードバンクが盛んな国です。中でも、1985年から続くLes Restos du Coeur(心のレストラン)は、失業者や低収入の家族などに無料で食料を提供する慈善活動として非常に有名です。

日本のフードバンクの歴史

2000年1月、炊き出しのために食材を集める連帯活動が行われました。これが日本で最初にフードバンク活動を行った団体で、後に「セカンドハーベスト・ジャパン」へと名称を変更しました。

また、関西でも2003年4月に「フードバンク関西」が発足され、フードバンクの活動が少しづつ知れ渡るようになりました。現在では北海道から沖縄までたくさんの団体によりフードバンク活動が行われています。

最後に

フードバンクは今の日本社会にとってとても重要な活動です。素敵な団体や企業が日本にはたくさんあるということを、一人でも多くの人に知ってもらいたいと思います。
フードバンクの活動を知った今日から私達にできること。それぞれのかたちで、一歩踏み出してみましょう。

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