家庭でできる!食品ロスを有効活用する8つの方法

フードバンク

食品ロスはちょっとした心がけで減らすことができるものです。
一方で、完全に0にするのが難しいのも食品ロスです。すぐに諦めて捨ててしまわないで、他に有効活用できる方法はないか考えてみましょう。

ここでは、家庭でできる食品ロスを有効活用する方法をご紹介します。

フードバンク団体へ寄付する

フードバンクへの寄付食品

買いだめやギフトなど、家で眠っているまだ食べられる食品は、ぜひフードバンクに寄付しましょう。
フードバンクとは、まだ食べられるのに捨てられる食品を引き取り、食べ物に困っている人や施設に届ける活動のことを言います。

食品ロスになっていたであろう食品が、誰かにおいしく食べてもらえるフードバンク。何よりの有効活用だと思いませんか?

ただし、フードバンクに寄付できる食品には、いくつかの条件があります。
例えば、「賞味期限が1ヶ月以上残っていること」や「未開封の食品」また「常温保存ができる食品」などです。
フードバンク団体によって条件には違いがあるので、まずはフードバンク団体に問い合せてみると良いでしょう。

また最近では、フードバンクポストという食品を手軽に寄付できるボックスが増えています。スーパーや自治体の施設、イベント会場などで設置されていることが多いので、フードバンクポストを見かけたら食品の有効活用に利用してみましょう。

サルベージパーティを開催

パーティーの料理

サルベージパーティをご存知ですか?
サルベージとは、沈没した船舶の引き揚げや回収作業を意味します。サルベージパーティは、食品ロスを回収するパーティという意味を持ち、参加者がそれぞれの家で使いきれなかった食品を持ち寄り、その場でおいしく調理するパーティーです。

中にはプロのシェフに頼んで、料理教室のように楽しむケースもをあり、まさに食品ロスを有効活用したパーティと言えます。

多くの人が集まるパーティでは料理が余りやすく、多くの食品ロスが出る傾向にあります。しかし、サルページパーティでは食品ロスを食材として利用するため、食品ロスの有効活用になると共に、食品ロス削減に対する意識の向上にもつながります。

また、家庭で余っている食品を有効活用することで、材料費も安く済ませることができます。みんなで一緒に料理をする楽しみもあり、食品ロスの有効活用の一つとして人気を集めています。

賞味期限は「おいしいめやす」

缶詰に記載された賞味期限

賞味期限が切れている食品でもおいしく食べられるという事実は、ぜひとも知っていただきたいことです。
「消費期限」は食品を安全に食べられる期限を示しているので、消費期限が切れている食品は食べない方がいいでしょう。
一方、「賞味期限」は食品がおいしく食べられる期限を意味しており、期限が少し過ぎたからといって食べられないわけではありません。

それどころか、賞味期限が少し過ぎている程度の食品であれば、味の変化も分からないようなことがほとんどです。
賞味期限が切れていてる食品でも、まずは一度開封してみて、問題がなければ食べることで食品ロスを減らしましょう。

最近では賞味期限切れの食品を有効活用したレシピなども多数出ています。賞味期限切れの食品を食べることに抵抗のある方は、賞味期限切れの食品でも食べやすいレシピを見つけてみるのも良いかもしれませんね。

傷んだ野菜はリメイクレシピで有効活用

傷んだ果物で作ったジャム

神戸市が行った食品ロスの実態調査によると、家庭から廃棄された手つかずの食品のうち、約半分が生鮮食品だということが明らかになりました。(2017年夏季の調査結果)

野菜は保存方法を間違えるとすぐに傷んでしまうため、管理に気をつかう食品でもあります。しかし、少し傷んだだけの生鮮野菜や果物をすぐに捨ててしまうのはもったいないので何とか有効活用したいところです。

ちょっと手を加えたり、いつも捨てている皮や種の部分を有効活用することで、食品ロスを減らすことができます。
傷み始めた野菜や果物は、リメイクレシピで有効活用しましょう。

例えば、野菜であればポタージュやスープ、マリネやお漬物などは、少し傷んだ程度の野菜でも有効活用して美味しく食べられるレシピです。
どれも意外と簡単にできる料理で、傷み始めた野菜を有効活用することができます。
果物であればスムージーやジュース、煮詰めてジャムを作ってみるのもいいでしょう。

野菜や果物は傷み始めると食感が悪くなりますが、傷んだ野菜や果物の方がおいしく調理できるレシピもたくさんあります。
少し日が経って鮮度の落ちた野菜や果物は、リメイクレシピで有効活用してみるのもいいかもしれません。

捨てる前にもう一度ひと手間加えて、食品ロスを有効活用してみましょう。

野菜のだし「ベジブロス」を作る

野菜の皮やヘタ

ベジタリアンやヴィーガンを中心に人気が高い「ベジブロス」。ベジブロスとは野菜のだしのことです。

見た目はスープのようですが、ベジブロスは調理過程で出る野菜の皮や種などの食品ロスを有効活用するため、あくまでも野菜のだしとして料理に使うのが一般的です。
作り方はとても簡単。野菜の皮や種を水と酒で20分ほど煮込むだけです。

ベジブロスの作り方

ベジブロスを作っている様子
用意するもの 野菜くず 300〜400g
水 1L
お酒 小さじ1杯

1.鍋に水と野菜のくずを入れ、お酒を加えます。お酒は野菜のうまみを引き出すために必要です。

2.20~30分ほど弱火でじっくりと加熱しましょう。火を強くすると野菜が煮崩れて出汁が濁ったり、エグ味が出てしまいます。

3.火を止めたら、ざるとボウルを重ねた上から2を注ぎます。

4.ざるごと野菜を取り上げ、だしは冷ましてから保存容器に移しましょう。ざるの野菜は少し時間を置き、乾燥させてから生ごみとして出すか、後に紹介するコンポストに入れましょう。

農薬が気になる方は

野菜の皮やヘタからだしを取るベジブロス。残留農薬が気になるために抵抗があるという方もいると思います。農薬は水で洗い流すことができるとも言われていますが、気になる方は重曹を使って農薬を落としましょう。

1.ボウルいっぱいの水に対して小さじ1杯程度の割合で重曹を溶かします。

2.重曹を溶かした水の中に野菜くずをつけて、1分ほど放置。長く時間を置きすぎると、野菜の栄養素が溶け出してしまうので注意しましょう。

3. 流水で重曹をしっかりと洗い流しましょう。

ベジブロスは、コンソメや鶏ガラスープのように肉を使わないため、ヴィーガンやベジタリアンに人気がある「野菜だし」です。
しかし最近では、ベジブロスを使うことで料理が美味しくなり、野菜の食品ロスを有効活用できるということで、多くの方がベジブロスを取り入れています。

ドギーバックを使おう

ドギーバッグ

外食産業の食品ロスは、半分以上が顧客の食べ残しによるものです。家庭で余った料理は容器に入れて保存する方でも、外食での食べ残しはそのまま残して帰るという方が多いのではないでしょうか?

外食で食べ残す機会が多い方は、ぜひドギーバックを活用してみてください。
ドギーバックとは、外食の時に食べ残した料理を持ち帰るための箱や袋のことをいいます。

家庭で余った料理は保存して次の日に食べることができますが、外食で食べきれなかった料理はほぼ100%食品ロスになります。
とは言っても、楽しい食事の席で食品ロスのことばかり考えて注文するのも疲れてしまいますね。

外食で料理が余ったら、ドギーバックを使って家に持ち帰ってみてはいかがでしょうか?海外では既に多く普及しており、日本でもドギーバックを用意する飲食店も増えています。

日本人の風潮として「恥ずかしい」と思いがちですが、今は食品ロスに関心を持つことの方が認められる時代になってきています。食品ロスが問題視される今、エコバックのようにドギーバックが当たり前になる時代は、そう遠くはないでしょう。
プロが作ったおいしい料理を、家族への手土産や翌日の食事の一品にし、食品ロスを有効活用していきましょう。

生ごみコンポスト

生ごみコンポスト

コンポストとは、生ごみや落ち葉で作る堆肥(たいひ)や、それを作るための容器のことです。
堆肥とは、植物が育ちやすい「よい土」を作るために使われる肥料です。

生ごみコンポストは、家庭で出た生ごみを堆肥に変えてくれるため、食品ロスを土づくりに有効活用することができます。

なぜ生ごみが堆肥に変わる?

堆肥

なぜ生ごみがコンポストによって堆肥に変わるのでしょうか?
それには生ごみコンポスト内の微生物が関係しています。

自然界には目には見えない微生物がたくさん存在します。コンポストに生ごみを入れると、微生物が二酸化炭素や水に分解することで堆肥になっていきます。

これは本来自然界で行われていることですが、少しの土を作るのに長い年月がかかります。
しかし、生ごみコンポストでは微生物が働きやすい環境を整えているため、生ごみの分解や堆肥づくりにかかる時間が大幅に短縮されます。
生ごみコンポストは食品ロスの有効活用として注目を浴びています。

コンポストで生ごみの有効活用

コンポストは生ごみを減らし、良い土壌を作る堆肥に変えるため、環境によい食の循環サイクルとして注目を集めています。
最近では多くの自治体でコンポストを購入するための助成金が用意されており、家庭にコンポストを置く方が増えています。

まずは試しに使ってみたいという方は、ダンボールを使ってコンポストを自作することもできます。
土を触るのに抵抗がある方は、自動で処理してくれるコンポストもあるので、費用なども含めて自分にあったコンポストを探してみるのもいいでしょう。

コンポストで作られた堆肥の使い道がない方であっても、生ごみが堆肥に分解されてもコンポスト内の土の量はそれほどは増えないので、生ごみを減らす目的だけで利用してみるのも良いでしょう。

まとめ

食品ロスを出さないために工夫をすることも大切ですが、出てしまった食品ロスを有効活用する方法を知ることで、より多くの食品ロスを削減することができます。
今まで食品を捨てることが多かった方は、ちょっとだけ手を加えて食品ロスを有効活用してみてください。
家庭から出るちょっとした食品ロスを削減することが、日本の食品ロス問題を解決する大きな一歩になるかもしれませんね。

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