調味料の正しい捨て方とは?醤油やみりんなど調味料別に解説

おうちでのご飯づくりにかかせない調味料。STAY HOMEをキッカケに料理をする回数が増え、新しい調味料を買い足したという方も多いのではないでしょうか。
ところが、使いかけの調味料の賞味期限が切れてしまうこともしばしば。調味料は少量であっても、誤った捨て方をすることで環境にとても大きな負荷がかかります。正しい調味料の捨て方を覚えて、環境に優しく気持ちのいい生活をおくりましょう。
調味料別に解説!正しい捨て方
調味料と一言でいっても、液体や油など形状は様々で、捨てるたびに困ってしまいますよね。ここからは代表的な調味料をピックアップ!それぞれの調味料の捨て方を見ていきましょう。
醤油・みりん・料理酒

液体調味料は紙に染み込ませて燃えるごみへ
醤油やみりん、料理酒、酢などの液体調味料は、紙類に染み込ませて燃えるごみに捨てるのが基本です。液体調味料であればたいていは同じ捨て方で、ポン酢やめんつゆ、白だしなども同様です。
余った液体調味料は、牛乳パックやビニール袋に新聞紙や紙、布切れなどを詰めて、染み込ませるように流しこみます。

液体調味料を全て流し込んだら、水分が漏れないようにガムテープなどでしっかりと封をします。
量が多い場合はおむつや生理用ナプキン、ペット用シーツなどに染み込ませるという手もあります。また、個人情報など人に見られたくないものに調味料を吸わせるのもおすすめです。
牛乳パックやビニール袋が無い場合は、冷凍食品やお菓子の外装を使うのも良いでしょう。冷凍食品やお菓子の外装は資源ごみですが、新しいゴミ袋を使うよりはゴミを使いまわした方がECOです。
酢はお掃除にも再利用

余った酢はお掃除に活用することもできます。
酢は酸性の性質を持っいるため、アルカリ性の汚れ落としに効果的です。アルカリ性の汚れとは「水あか」「石けんカス」「尿汚れ」「電気ケトル内の白い汚れ」などで、ガチガチと固まっているのが主な特徴です。
使い方はとても簡単。水と酢を1:1の割合で割ったものをスプレーボトルに入れてふりかけるだけ。
スプレーとして掃除に使用する際は、ガラスかプラスチックの容器を選びましょう。金属製の容器を使用すると酢酸で容器を傷めるおそれがあります。
トイレや風呂場、シンク周辺の水垢に効果的で、酢水を汚れに吹きかけて拭き取るだけできれいになります。
汚れが落ちにくい場合は、キッチンペーパーに酢を含ませて汚れている部分に貼り付けます。数分放置してから拭き取れば簡単に汚れが落ちます。
また、ぬめり取りにも効果を発揮します。酢水をぬめり部分にスプレーするだけで汚れを分解してくれます。
さらには、鏡や窓ガラスの曇り止めとしても効果的です。風呂場の鏡の曇り止めや、窓ふきの仕上げ剤代わりとして利用できます。
先にガラス面の汚れを取ってから吹きかけるとよりキレイに仕上がります。
酢に含まれる酢酸には、雑菌の発生を抑える効果があります。消臭効果にも期待できるので、酢はお掃除に最適ですね。

味噌

味噌は紙に包んで燃えるごみへ
味噌のように固形に近い調味料は、水分が漏れ出さないように新聞紙やキッチンペーパーにくるんで捨てましょう。
容器は少量の水を入れた状態で蓋をして、軽く振ってすすぎ洗いします。ある程度汚れが落ちたら資源ごみ(プラスチックごみなど)として捨てます。
バター

バターは紙に包んで燃えるごみへ
バターやマーガリンは冷えている状態では固形なのでそのまま捨てててしまう方もいますが、常温に戻ると液体化します。溶けても液体が漏れ出さないように、紙などで包んだ上でビニール袋に入れて、燃えるごみとして捨てましょう。
マヨネーズ・ケチャップ・ソース

紙に染み込ませて燃えるごみ、量が多い場合は容器ごと燃えるごみ
マヨネーズやケチャップ、ソース、焼き肉のたれなど油を多く含んだ液体調味料は、牛乳パックに紙類や布切れを詰めて、そこに中身を流し込みます。その際容器を半分に切ると中身をきれいに取り除くことができます。
牛乳パックがない場合は、冷凍食品などの包装紙やカップラーメンの容器などを使うのも良いでしょう。
中身をきれいに出し切った容器は資源ごみ(プラスチックごみなど)として分別できます。マヨネーズなどの容器を資源ごみとして出す場合は、容器を軽く洗っておきましょう。
容器に少量の水を入れ、しっかりと封をしてから容器を振って汚れを落とします。汚れた水はシンクには流さず、先ほどの牛乳パックの中の紙類に染み込ませましょう。
しかしマヨネーズやケチャップのように粘度が高い調味料は、汚れが落ちにくい場合もあります。
容器をきれいにするために大量の水や紙などの資源を使うなら、そのまま燃えるごみとして捨てたほうが環境への負荷が少ないと言われています。
未開封や残りの多いマヨネーズ、ケチャップ、ソース、焼肉のたれなどは、そのまま燃えるごみとして捨てるようにしましょう。
調理油

固めて捨てるか紙に染み込ませて燃えるごみへ
油は調味料の中でも環境への負荷が大きい液体ですが、捨て方としてはいくつか方法があります。
料理の後に残った油であれば、テンプルのような凝固剤を使ったり、油吸い取りパッドやキッチンペーパーに染み込ませて、燃えるごみとして捨てます。
賞味期限が切れてしまって大量に油が残っている場合には、液体調味料と同じように牛乳パックに新聞紙や布切れなどを詰めて、中に油を注ぎ込みます。
油が外に流れ出ないようにガムテープで封をしたら燃えるごみとして捨てましょう。
また、お住まいの地域によっては、スーパーや自治体が調理油のリサイクル回収を行っているところもあります。回収された調理油は石鹸や車の燃料、塗料などにリサイクルされます。
調理油の捨て方やリサイクルについては、以下の記事で詳しく解説しているのでそちらも参考にしてみてください。
関連記事:油の捨て方を解説!環境に優しい捨て方とやってはいけない捨て方
調味料ではありませんが、ツナ缶やオイルサーディーンの残り油も同じようにして捨てます。

ドレッシング

紙に染み込ませて燃えるごみへ
液体調味料の中でもドレッシングは油分が多いため、油を捨てる時と同じ捨て方と覚えておくと良いでしょう。
牛乳パックやビニール袋を用意し、その中に新聞紙など紙類をしわくちゃにして入れておきます。そこにドレッシングの残りを流し込みましょう。
ドレッシングは粘土が高いので、逆さにしたまま放置します。ある程度中身が流れ出たら、容器に水を少し入れて蓋をしてシェイク。中を洗います。
汚水には油が多く含まれているので、シンクには流さず先ほどの牛乳パックかビニール袋に流し込みます。ドレッシングは油分が非常に多いので、水道に流すよりも燃えるごみに出した方が環境負荷は軽減できると言われています。
容器内の汚れはある程度落ちていればOK。空の容器は指定の資減ごみへ、中身を流し込んだ牛乳パックやビニール袋は燃えるごみとして捨てましょう。
塩・砂糖・小麦粉・片栗粉などの粉末類

袋ごと燃えるごみへ
包装紙に入った塩や砂糖や小麦粉、片栗粉などの粉末類は、包装紙のまま捨ててOKです。
または、小麦粉や片栗粉などは液体を固める性質があるので、凝固剤としても活用できます。油やドレッシングなどを捨てる時に、いらない小麦粉や片栗粉を混ぜて使うと液体が流れにくく、紙をたくさん使わずに済むのでおすすめです。
小瓶の調味料

中身は取り出して燃えるごみへ
豆板醤、柚子胡椒、粒マスタード、ジャムなど小瓶の調味料についても、中身が残っている場合は燃えるごみとして捨てます。
小瓶の中に残っている調味料は、牛乳パックやお菓子の袋などに入れて捨てるようにしましょう。
空の容器は半分ほど水を入れてよく振るとある程度きれいになります。汚れた水はシンクには流さず、先ほどの牛乳パックやお菓子の袋の中に捨てます。
水分が流れ出ないようにしっかりと封をしたら燃えるごみとして捨てます。
わさび・からし

チューブの調味料は燃えるごみへ
チューブに入った調味料も中身をきれいに取り出し、蓋を取って捨てましょう。チューブの中に少量の水を入れて振ってきれいにするか、チューブを半分に切って中身を取り出すとよいでしょう。
その際、チューブをきれいにするために洗剤や大量の水を使うと、反対に環境に良くありません。
チューブ本体やキャップは資源ごみ(プラスチックごみなど)の場合が多いので、自治体のルールに従って分別します。
未開封など大量に残っているわさびやからしであれば、中身を出さずにそのまま燃えるごみとして捨てましょう。
未開封の調味料の捨て方
未開封や賞味期限切れのまま大量に残った調味料は、中身を出さずにそのまま燃えるごみとして捨てることを推奨している自治体が多いです。
大量の調味料を捨てるためにたくさんの紙や水を使うようなら、容器のリサイクルを諦めてそのまま燃えるごみとして捨てる方が、結果的に環境負荷が少ないと考えられるからです。
ただし、容器がビンの場合は燃えるごみにはできないので、きちんと中身を取り出して、容器は資源ごみとして出しましょう。
余談ですが、未開封で賞味期限が切れていない調味料を捨てたいという場合も稀にあるかと思います。未開封でなおかつ賞味期限がある程度残っている調味料は、フードバンクを通して福祉施設などに寄付するという方法もあります。フードバンクや食品の寄付については、以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事:フードバンクの全てが分かる!寄付や受取条件まで解説
厳禁!やってはいけない調味料の捨て方
調味料の正しい捨て方を覚えたら、次は「やってはいけない調味料の捨て方」についても確認しておきましょう。
洗いものをすると調味料は少なからずシンクに流れていきます。そのため、残った調味料もついついシンクに流してしまいがちですよね。
ところが、調味料をシンクに流すのは水質汚染につながっています。さらには、調味料をシンクに流すことがシンクの悪臭の原因にもなっています。
油でなければ問題ないと思われがちですが、調味料も水質汚染に大きく関わっています。
大さじ1杯の醤油を、魚が住めるくらいきれいなお水にするために必要なお水は450~600リットル、およそバスタブ2杯分に相当します。たった一杯の醤油をきれいにするために、こんなにもたくさんの水資源が必要になります。
毎日のお料理で使う調味料が水質汚染につながっていると知ると後ろめたく感じてしまいますが、まずはできることから始めていきましょう。
ふき取れる調味料はふき取って、できるだけシンクに汚水を流さないように心がけることが大切です。
調味料をトイレに流す人もいるかと思いますが、トイレに調味料を流すのはシンクに流すのと同じことであって厳禁です。シンクに流すのと同じく水質汚染につながっています。

調味料の容器の分別方法
調味料の中身はたいてい燃えるごみとして捨てますが、容器は資源ごみとしてリサイクルできるものが多いです。リサイクルの表記を確認して、お住まいの自治体が定める分別方法で捨てるようにしましょう。
調味料の容器には、プラスチックボトルやペットボトル、チューブ、ビン、紙パックなど色々なものが使用されています。最近では詰め替え用でビニールのパウチを使っている調味料もあります。
ほとんどの調味料には、ラベルか容器の底に以下のようなリサイクルマークが表示されています。リサイクルマークを参照して正しい分別を行いましょう。

なお、ビンは表示マークの義務がないためマークが付いていないことがありますが、見た目で分かりやすいのでビンとして分別します。
調味料の容器は洗うべき?
調味料の容器が資源ごみとなっている場合は、リサイクルしやすいように簡単に洗ってからごみに出します。
しかし、調味料の容器を洗うためにじゃぶじゃぶ水洗いしていては、水資源の無駄使いになり、水質汚染にもつながります。リサイクルのために水を汚していては、結局何が環境に良いのか分からなくなってしまいますね。
資源ごみはある程度きれいに洗ってから捨てるのが最適ですが、多くの洗剤や水を使ってまで洗う必要はありません。汚れが落ちにくいようなら燃えるごみとして捨てましょう。
最適の方法としては、調味料の容器はできるだけ少ない水で洗い、汚水はシンクではなく紙などに染み込ませて、燃えるごみとして捨てることです。
調味料によっては容器に汚れがこびりついている場合もありますが、無理に汚れを落とそうとして大量の洗剤や水、紙を使うのは返って環境に良くありません。
まとめ
安い時にまとめ買いをして、結局使わずじまいで賞味期限を迎えてしまった調味料。珍しい調味料を買ってみては、使い方が分からずに冷蔵庫に眠ってしまうこともしばしばです。簡単に手に入るものほど、意識せずにゴミにしてしまいがちですよね。
買っても使わなければ、それはゴミになります。リサイクルという方法もありますが、リサイクルには多くのエネルギーが使われていて、それによって環境に負担がかかり、生き物たちの住む場所を奪っています。
お料理に使う調味料は必要な分だけを購入すること、購入したら工夫して使い切ること。そして、できるだけ環境に負荷をかけない捨て方を実践することを心がけ、素敵な地球を守っていきましょう。