洗剤や柔軟剤の捨て方を解説!容器と中身はどうやって分別するの?

洗濯洗剤に食器洗剤、漂白剤に柔軟剤など、私たちはたくさんの洗剤に囲まれて生活しています。
ところが、使い終わった洗剤の容器や、残っている洗剤の正しい捨て方を知らないという方も、意外に多いのではないでしょうか?様々な種類の洗剤の捨て方をしっかりとマスターして、環境に優しい生活を実践していきましょう!
洗剤容器の分別方法
各自治体のごみ処理施設の設備や環境は異なるため、ごみの分別方法は各自治体の判断にゆだねられています。しかし原則としては、洗剤の容器は「容器包装リサイクル法」によって資源ごみとして回収し、その後リサイクルする流れとなっています。
ボトル容器の捨て方と分別方法

ほとんどの洗剤や柔軟剤のボトル容器には「プラマーク」が付いています。プラマークが付いているボトル容器は、資源ごみ(容器包装プラスチックごみ)として分別しましょう。
ただし、資源ごみとして捨てることができるのは、洗剤を使い切って洗った容器です。洗うとは言っても完璧にきれいにする必要はなく、少量の水ですすぐ程度でOKです。
洗剤が残っている場合や、ボトル容器の汚れがひどくて取れない場合は、プラマークがついていても燃えるごみなどで捨てるのが正解です。
クリームタイプやジェルタイプの洗剤についても、形状は違いますが分別は液体洗剤と同じです。
残っている洗剤や柔軟剤を洗面所やトイレに流すのは水質汚染につながります。中身が残っている場合は燃えるごみとして捨てるようにしましょう。
また、容器をきれいにするために大量の水を使うようなら、燃えるごみとして捨てる方が環境負荷は少なく済みます。少量の水で洗ってきれいになるようであれば、洗って資源ごみとして捨てましょう。
最後の数回はボトルに少量のお水を入れて使い切るようにすると、ボトルを洗う手間とお水を節約できますね。

資源ごみとして回収されたプラスチックボトルはリサイクルされます。回収後に他のきれいな資源ごみまで汚してしまわないよう、あまりにも汚れが酷いボトル容器は資源ごみに出さないようにしましょう。
紙製容器の捨て方と分別方法

粉末洗剤などが入っていた紙製の容器も、「容器包装リサイクル法」によって資源ごみ(紙ごみなど)として回収されリサイクルされます。このようにリサイクル可能な紙製容器には「紙マーク」がつけられています。
ただし、「紙マーク」が付いていても濡れている容器や汚れている容器は燃えるごみとして分別しましょう。
プラマークが付いた容器包装プラスチックごみはゴミ袋や包装材、プランターやパーキングの車止めなどにリサイクルされています。 紙マークが付いた紙ごみは、段ボールや厚紙、お菓子の箱などに生まれ変わっています。
詰め替え容器の捨て方と分別方法

洗剤や柔軟剤の詰め替え容器もボトル容器と同様に「プラマーク」がついている商品が大半です。「プラマーク」がついているので資源ごみ(容器包装プラスチック)として分別されますが、詰め替え容器は他の資源ごみを汚す可能性があるので注意が必要です。
詰め替え容器にはパウチが使われていることが多く、中の洗剤を出し切ったと思っていても残っていることがあります。そのため、資源ごみとして回収された後、圧縮する作業の時にパウチの中身が他の資源ごみを汚すことが多く問題になっています。
詰め替えた後に水を入れて中の洗剤を使い切るようにするか、汚れを落とせないのであれば燃えるごみなどに分別するのが良いでしょう。
リサイクルに協力しているつもりでも、汚れが落ちていないごみはリサイクルできないだけでなく、他の資源までダメにしてしまう可能性があります。面倒ですがひと手間加えて質の高いリサイクル資源を出しましょう。
詰め替え後はパウチを半分に切って、洗濯物と一緒に洗濯機で回すと洗剤を使い切れる上に、パウチをきれいに洗うことができます。

残っている洗剤や柔軟剤の捨て方
洗剤や柔軟剤は新しい商品を使ってみたくなることもあれば、ギフトで戴くこともありますよね。洗剤や柔軟剤は肌に与える影響が大きいので、合わなかった場合には使い続けられないこともあるでしょう。
場合によっては未開封の洗剤であっても捨てたいということもあるかもしれません。
洗剤は環境に与える影響がとても大きいため、できれば人にあげるか、他のものに利用するなどして捨てるという選択肢は避けたいものです。でも、どうしても捨てるしかないという時、残っている洗剤や柔軟剤はどのように捨てれば良いのか?以下に解説していきます。
粉末洗剤・固形洗剤

残った洗剤や柔軟剤を捨てるときは、「粉末・固形」なのか「液体」なのか?その形状から判断します。
粉末洗剤の場合は、容器ごと燃えるごみとして分別する自治体が多いので、未開封の洗剤でも使用中の洗剤でも、そのまま燃えるごみとして捨てる地域が多いです。
液体洗剤・クリーム系洗剤

液体洗剤やクリーム洗剤は、未開封などたくさん残っている場合には容器ごと燃えるごみとして捨てます。
雑に感じるかもしれませんが、洗剤や柔軟剤を水道やトイレに流してしまうのは、水質汚染につながるのでNGです。
洗濯で使うのと同じことではないのかと思われがちですが、洗濯で使うよりも原液をそのまま流す方が水質汚染への影響は大きくなります。
また、一度に大量の洗剤を流すと排水口を傷めてしまう可能性もあります。
洗剤の中身だけを捨てる場合は、ビニール袋に新聞や布切れを入れて、そこに中身を流します。

出し切ったらビニール袋の空気を抜き、ガムテープ等でしっかり封をして燃えるごみとして捨てます。
プラマークのついている容器は簡単に洗って資源ごみ(容器包装プラスチックごみ)として捨てましょう。
いくつかの種類の洗剤や柔軟剤、漂白剤を一度に捨てる際には、商品度に袋をひとつづつ分けて捨てるようにします。洗剤によっては化学反応を起こすこともあるので、他の洗剤と混ざらないように捨てることが大切です。
塩素系漂白剤を捨てる際の注意点

液体洗剤の中でも特に注意しなければならないのは、キッチンハイターやカビキラー、ブリーチなどの塩素系洗剤や漂白剤です。塩素系洗剤には必ず「まぜるな危険」という表記がありますが、酸性洗剤と混ぜると有毒ガスを発生させるとても危険な洗剤です。
未開封や中身が残っている塩素系洗剤は、蓋を締めて容器のまま燃えるごみとして捨てます。その際、他の洗剤などと混ざりあわないようにするために、容器に紙や布を巻きつけてから袋に入れて捨てるとより安全です。
水を流しながらシンクに流すという方法もありますが、排水管を傷める可能性があることと、塩素系洗剤が他の洗剤と混ざりあい有毒ガスを発生する可能性があるためおすすめはできません。
酸性洗剤を同時に使用していなくても、排水口の中にたまっていた他の洗剤と混ざり有毒ガスを発生したケースもあります。
また、家庭から出た汚水はバクテリアなどの微生物によって綺麗にされていますが、塩素系洗剤は微生物の働きを弱めたり、殺してしまう可能性もあります。
洗剤や柔軟剤と同じように新聞紙などに吸わせ、容器は資源ごみにするという方法もありますが、塩素系洗剤は匂いもきつく気分が悪くなる可能性もあるため、この方法もおすすめできません。
塩素系洗剤はしっかりと蓋を締めて、他の洗剤と混ざりあわないように袋に入れて捨てましょう。
塩素系洗剤を日常的に使用している方も多いですが、これほど危険性が高く環境負荷の大きい洗剤を日常的に使うのはあまりおすすめではありません。中身が残っている塩素系洗剤を容器ごと捨てるにしても、ごみ処理場で容器が破損して、作業員の方に危険が及ぶ可能性もあります。
塩素系洗剤の代わりに環境に優しい重曹や過酸化ナトリウムなどを日常使いにして、どうしても汚れが落ちない場合や大掃除の際に塩素系洗剤を使用するなどの工夫をしましょう。
まとめ
洗剤や柔軟剤の分別方法をまとめると、中身は燃えるごみ、容器は資源ごみというのが基本的な捨て方です。
中身を使い切った場合は表示に従って資源ごみ(容器包装プラスチックや紙ごみ)などに分別しましょう。
中身が大量に残っている洗剤や未開封の洗剤は燃えるごみへ、容器を資源ごみにするために大量の洗剤を流すのは厳禁です。
最良の選択としては、できれば環境に優しい製品を選び、購入したら使い切ることです。